記憶


- 断片1 -
CD『THE END OF EVANGELION』

「THANATOS」, 「Komm, susser Tod」収録。
エヴァンゲリオン劇場版で使用された曲を収録したシングルCD。
上記のどちらも映画と同様、歌詞と曲調が甘美な絶望をよくあらわしています。 熱狂的な盛り上がりはかなり昔に終わっていますが、僕は今でもときどき聞いています。 僕も自分自身の幕を下ろす準備をしなければなりません。


- 断片2 -
CD『Requiem』 Alfred Schnittke

シュニトケのレクイエムは、本来の意味で 死者の魂を無へと還すための曲だと思います。


- 断片3 -
映画『HANA-BI』 監督:北野武

救いは深い絶望にしかありません。 だから僕も死にたいんです。


- 断片4 -
書籍『世界残酷物語』 著者:コリン・ウィルソン

犯罪の歴史を1つずつ書き表した書。 著者は冒頭で、犯罪の歴史は創造の歴史でもある、というようなことを 言ってるけど、この本を読んで僕には人間の暗部しか見出せませんでした。
人間の本質は暗部にこそあると思います。


- 断片5 -
漫画『幻覚小節』 町田ひらく

町田ひらくの作品に出てくる少女たちはみんな絶望的です。 最後のページの「END」や「終」の文字を見るたびに、僕は彼女たちのその後を考えてしまいます。 唯一の例外は、『地上∞階 美少女売場』のように登場人物が予め死ぬことを決めていた場合です。
死は絶対的な救済です。


- 断片6 -
絵画『業火』 近藤弘明

まさに世界の終りを描いた作品です。
赤く染まった空に溶けるような太陽。 冷たい炎に焼かれた大地。 どこからか流され漂ってきた一匹の蛾。
僕の心の中を表したようです。


- 断片7 -
映画『フリークス 神の子ら』 監督:トッド・ブラウニング

フリークスたちが健常者の美女に復讐する物語。 頭だけが異常に小さい人や手足のない人はたぶん本物だと思います。 もし神様がいるとしたら、そいつは心底意地の悪い奴です。


- 断片8 -
CD『HANA-BI サウンドトラック』 久石譲

2発の銃声に悲しみと救済が込められています。


- 断片9 -
写真集 『KATAN DOLL』 人形師 天野可淡

よく人形師は、人形に魂を込めるというようなことを言います。 でも、あくまで人形は人形です。 人間のかたちをしているから、人形に魂が入っているような気がするだけです。 人間が空っぽの人形に見るのは、その人の願望だと思います。
僕が天野可淡の少女の人形に見るのは、醜い僕の汚らわしい欲望です。